ここでは、解り易さを得るため、論理的な記述より、音に対する感覚性を重視します。(こうやったら、こんな音になるという具合に)

HelixのEnvelope Generatorは、厄介です。音響的には間違いなく正しいのですが、音楽的には操作し辛いものがあります。
つまり、設定如何では、楽器としてあり得ないセッティング、ほゞ間違いなく使わない領域があると言えます。
機能としての柔軟性は、どこまで音の構築に時間を使うのか、何を求めているのか、という個人差があり、それを大きくカバーするのは大事ですが、音楽を作るという原点に帰れば、もう少し的確な操作法を求めたいところです。
と、うだうだ書いても解決しないので、ADSRの挙動に関して検証していきます。
まずは、↑の画像設定ですが、これはプチっというノイズ音しか発音しません。Attack Level以外がゼロにセットされているためです。(Attack Levelもゼロにすると、プチすらなくなります)これを基本に何を動かしたら、どう音が変わるかをみていきます。
その際、大事なのが↑の画像右上にある数値、ADSRの設定値が数値で表示されるので確認します。最下段が最少値(最少値もゼロにならない場合あり)とは限らないので注意です。
より、音楽的(簡易)に操作するため、−(マイナス)値にはならないような設定にします。
最初はattack、どれにもT、Lがありますが、これは
T=タイム(次の段階へ渡すための時間、attackならDecayまでの時間)
L=レベル(音量)
となります。
普通は、タイムかレベルのどちらかでADSRを構成しますが、それを各々両方セットすることになります。
attack-timeを上げていくと、音の立ち上がりが緩やかになり、フワっとした音になりますが、現設定のプチ音だけの状態で、attack-timeを上げていくと、フワっと出た音が出た直後、無音になります。
これは、音がゆっくり立ち上がり、次のDecay以降がゼロの為、無音になります。
この辺の把握で、つまづきます。
よく画像をみると、Attack Levelが最大値になっています。
attack-time=立ち上がり時間が瞬時でプっと鳴った音は無音、
attack-time=立ち上がりが緩やかなのは、ゆっくりAttack Levelに向かうため、その間の音が”出る”という仕組みです。
attackは、楽器で例えるなら、叩いたり、弾いたりで瞬間的に音が出る場合と、弓で弾く弦楽器のように、ゆっくり立ち上がる傾向、敢えて、大雑把にですが、このどちらかであると言えます。
操作的にはAttack LevelはDecay Levelと捉えるものでしょう。であるなら、この”Attack Levelは、常にマックス”状態である方が楽だと思われます。
attackから処理を受け取ったDecayですが、
Decay Levelを上げても、Decay Timeがゼロなら、まだ、音はプチ状態のままです。
つまり、Decay Timeがゼロなので、瞬時にSustain側へ処理が移り、Sustainのレベルがゼロなので、音は、そのまま、という事です。
Decay Timeを上げることで、プチっという音が持続音に変化します。
このDecay Timeの時間が終了するとSustainへ移るので、また無音になり、ぷち切れます。
”Decay Timeは、Decayが処理できる時間”となり、その間だけ
Decay Levelに音が達します。
Sustain、これも処理としてはDecayと同様。鍵盤を押して音を持続する場合は、Sustain Levelを上げます。
通常は、Decay Levelと同等なレベルに。
プツっと瞬時に音が途切れる設定なら、Sustainはゼロのままで、Decay側のDecay Timeを少々上げる感じです。
音の作り、という点でattackと共に大事なのがRelease Time(音の減衰)です。鍵盤から指を離した時、音が、どうやって消えていくのかを設定します。
Releaseでは、簡易操作のため、Release Levelはゼロにして、Release Timeだけで設定するのが無難。
R2は、ここでは無視。
MODのA.Vは、この値がゼロなら鍵盤を弾く強さに関係なく発音されますが、これを上げると、弱く弾くとattackも弱く(遅く)なり、強く弾くとattackも強く(早く)なるというものです。
D.Kは無視して、
L.Vは、上記と同様に、音量が変化します。
タッチセンスの設定ですね。
以上で(簡略的に、よけいな部分を無視して、必要最低限に、やや違うかなというのも黙認して)音の成り立ちを決めるEnvelope Generatorの説明でした。

