サチュレーションとは、と検索かければ、飽和という単語が出てきて
最大限まで満たされた状態
と説明される。
サチュレーションを感覚的に捉えるのは難しく
特に、頭で理解するのと、経験的に理解するのでは、全く違ってくるはず。
検索で出てくるなかには、アナログの温かみ、なんてのもあって混乱する。違うからね。
録音における、サチュレーション感覚は、例えば
人が”ギャー”と叫ぶのを録音するとき、
・録音レベルが、メーターのよくある赤い領域を超えないように、綺麗に録音する。
・メーターの針が、やや振り切るぐらいレベルを上げる。
この違いが体感的に理解しているかどうか、なんだね。
バリバリに歪んでしまったらダメだけど、
アナログ録音では、このレベル上げで味付けが加わるわけ。
デジタル録音では、この効果が一切ない、わけではなく
極端な例を言えば、
ハイハットの音、通常は小さなレベルになり、チッチっと鳴るけど
ノーマライズ類をかけ、目いっぱいの音量にすると、バジっ!という音になり、とても不自然になる。
また、たくさんの音を重ねると、自然とサチュレーション成分は増えてくる。
そんな事を経験として身につけておくのが大事、だということ。
ギャーという叫ぶ音は、表現手段として飽和=サチュレーションが必要なわけで
それを音楽表現に例えれば
ただ単に綺麗な音を録音すれば良い、とはならない。ということ。
日本のエンジニアは、多くが”録音技師”として飽和を嫌う。
海外では(特に英国)大手のスタジオではなく、ガレージバンドみたいな録音風景で
思い切った音作り=飽和作り、をしていた。
マスタリングでも、昔のシングル盤(45回転)では目一杯音上げをして歪んで当たり前なのがよくある。
例としてはLed Zeppelin(Whole Lotta Love)は、シングルでギラギラした音圧が迫力満点だったけど
LPでは、小綺麗な音になりガッカリした覚えがある。
今では、このシングルの音はyoutubeでも聞けないので残念だけど。
というわけで、サチュレーションは、歪むもの、というより音楽表現であると。
その効果的な例は、これ。
2025年03月21日
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